無慈悲なる処刑
友好的な謝罪

ロマノ・ヘニ

Merciless Execution. Friendly Pardon.
Romano Hänni

price 14,000 yen (incl.tax)
在庫数 10 部 / 10 left
購入数

制作年:2006年
発行:ロマノ・ヘニ Romano Hänni
ページ:8ページ 観音開き
サイズ:212 x 290 mm
部数:306部 ナンバリング入
印刷:活版印刷

観音開きのリーフレット。帯は市販のトイレットペーパーに印刷されている。印刷はスミ・赤の2色。
第一次大戦中に自国の軍隊により処刑された英国軍兵士達への追悼と、戦争の指導者達がいかに〈無慈悲〉であるかを弾劾することがテーマとなった。
観音開きの見返しには GNADENLOS (無慈悲な)の頭文字である大文字のGとSが配され、その背後に見えるのは、内側にある赤色で印刷されたのテキストの一部である。観音開きである理由は、司祭が祭壇に設けられた2つの扉(観音扉)を開けるように、読者が見返しを開くからである。

序文《戦争という名の、国家の命令による殺人》
ロマノ・ヘニ
第一次大戦中に軍法により銃殺された兵士達も、戦死した兵士と変わらず戦争の犠牲者であるとの公式見解を、英国の国防相(当時の陸軍相)が90年を経てようやく発表した。敵前逃亡や命令不服従といった理由で、彼らは自らの国家により処刑されたのだ。
単に無罪であるというだけでなく、彼らはその母国によって意図的に殺されたのだと認められるには更に90年の時が必要だろう。〈戦争〉という言葉が〈戦争犯罪〉と同じ意味をもつようになるのはいつだろうか。
軍隊にとっては、人を殺したくない人(そしてうまいこと寛大な処置を懇願する術を持たない人)を処刑することは、規律を保ち部隊を威嚇する格好の抑止力となる。その一方で最高司令部の犯した失策は、軍事機密として扱われる。指導者の責任を明確にするよう求める軍事法廷は存在せず、嫌疑を表明する者はその地位から追われるのだ。犯罪的な命令への不服従を理由に無慈悲にも彼らの兵士を処刑してきた、同じ紳士達によって。
貧しい者は上流階級の者、つまり政府の虚偽によって第一次世界大戦(1914 –1918)の殺戮場、巨大な墓場へと駆り出された(英国だけに限らず)。炭坑夫の指導者であったロバート・スマイリーが1923年に英国下院議員に選出された際、政府に騙された兵士達について忘れがたい演説をしている。
今日でも戦争は役人達によって人道的なものとされ、戦死は無視されるか或いは賞賛されるか。戦争が文化的な所業へと置き換えられてしまうのだ。過去に於いても、またこれからも決して存在しないのに、戦争には秩序だった指揮系統があるという。このようにして戦争を計画することも想定することも可能であるとする、いい加減で魅力的な幻想はさらにはびこるのだ。